冷房

公会堂に冷房装置が入ったのは、昭和37年からであるが、それまでは冷房といえばもっぱら送風機と氷に頼っていた。地下の冷房室のダクト入口に砕いた氷をいっぱいに入れて、冷やした空気を送風機で客室に送る仕掛けだった。冷房能力では現在のクーラーとは比較にならず、多少温度の下がった生ぬるい風が客席へ吹き込まれる程度だった。そこで、真夏には客席通路に1本ずつ氷柱をおいて視覚的に涼を演出したりしたが、それでもプログラムには「冷房完備」などとうたったものである。こうした光景は、どこのホールでも同様で、省エネで室内温度が2、3度上がっても大騒ぎする昨今とは、隔世の感がある。